幼児期の発達支援(療育)は、とても難しいものです。
なぜなら、幼児期は体と脳の基礎を作る重要な時期なので、その時のかかわり方を誤ると、将来の子どもの人生に悪影響を及ぼし、子どもの未来をも壊しかねないからです。
例えば、強制や矯正ばかりさせるかかわり方が原因で、自分に自信のない子どもになってしまったら、大人になっても消極的な人になってしまいます。本当はできるかもしれないのに、チャレンジする前から「やめておく」ことばかりを選択するようになるかもしれません。
反対に、幼児期のうちにできるだけ自分に自信を持つことができ、怖い気持ちもあるけれどチャレンジしてみよう!と思えるような勇気を持てるかかわり方であればどうでしょうか。小さなことでもよいので、勇気を持ってチャレンジすることを繰り返ししていくことで、やがて「自分にもできる!」という気持ち【自己肯定感】が育っていくことでしょう。
かかわり方の違い。その違いは、将来大人になった時、大きな差になります。
叱りつけたり、無理強いしたり、厳しく接したりするといったような手法に対しては、医学的根拠がなく、発達に悪影響を及ぼすという観点から否定的な見解です。
こばとっこくらぶでは、
苦手なことを無理に頑張らせるのではなく、発達検査を通して
【得意】と【苦手】
を正しく評価し、
お子さまが楽しみながら取り組め、
【遊びの中で発達を引き出す】
【自分もやればできる!という気持ちを育てる】
ということを大切にしています。
支援方針
つなげる、つながる
どんな子どもでも、地域を構成する一員です。地域社会の中に居場所を見つけることこそ、目指すべき最大の目標だと思っています。療育を通して子どもが生きる楽しさを知り、ご家族の方が子育ての楽しさを知る。それを実現するために、子どもとご家族の方を包括的に捉えた支援を行い、子どもが自信を持って社会生活を送っていくための土台づくりを行います。
「こうすれば通っている園で過ごしやすくなる、こう工夫すれば保育者とのコミュニケーションが円滑にできる」といった関係機関に関するアドバイスは、幼稚園・保育園を知るスタッフだからこそできる、こばとっこくらぶならではの強みです。
パーソナライズカリキュラム
子どもたちはそれぞれ好きなもの、習得度(ペース)は違います。例えば、体を動かすのが得意な子もいれば、文字を書くのが得意な子もいます。これは当たり前で自然なことです。得意な部分は人に負けないところのはず。得意な部分をもっと伸ばせば、誰も到達できないところにいけるかもしれない。これこそが、「子どもの可能性」です。
だからこそ、みんな同じを目指すのではなく、子どもたちがそれぞれの個性を伸ばせるような環境を提供します。
できないことに注目しない、どうしたらできるようになるのかを考える。
何かうまくいかないことが起きたとき、できないことに注目しません。「どう工夫したらできるようになるか?」と考え、行動や環境にアプローチします。「なんでできないの?」と子どもに尋ねたところで、子どもの側からしたら答えようがありませんし、「〜しない」、「何かをしないこと」を目標にしてしまうと、子どもはやる気や自信を失い、自己肯定感も下がってしまいます。
例えば、物を投げるなどの「チャレンジング行動」が見られた場合、「どうして投げるの?」と叱って止めさせるのではなく、物を投げる行動と同じ機能がある「望ましい行動・代替行動」に価値を見出し、それを身に付けられるような支援を行うことで、子どもにポジティブな変化を生み出します。具体的なアイデアは子どもを動かします。
学び手は常に正しい。
行動分析学の基本的な考えの一つです。
ここで言う「正しい」という意味は、学び手(子ども)の行動が、その子の環境や過去の経験に基づいて論理的に理解できるということを指します。
学び手(子ども)は常に正しいはずなので、その子が習得できないのは先生(大人)のやり方が間違っていると考え、支援方法、あるいは目標の見直しなどを行います。学びにおいて、先生(大人)が常に正しいということはありません。
1日の流れ(例)
親子通所クラス
(1時間35分/1時間)
- ①来所、支度
- ご家族の方にその日のお子さまの健康状態等をヒアリングし、本日の支援につなげます。
視覚的な構造化を活用し、動線を明確にした中で支度を行い、できるだけ自分で行えるよう促します。 - ②はじめの会
- あいさつ、お返事、出席確認、お友だち・先生の確認、今日は何をするのか等をスケジュールボードと絵カードを用いて一緒に確認します。
- ③運動・体を動かす遊び
- 運動や体を動かす遊びを行い、運動機能や社会性を育みます。
※療育前に少し運動することで、酸素を吸収して処理する能力が細胞内で高くなります。脳細胞も同じように酸素を吸収して処理する能力が高くなるので、結果として脳の使い方が向上します。 - ④アセスメント/個別療育
- お子さまの発達のバランスについて、認知・言語促進プログラムを用いて評価いたします。評価から見られる課題を抽出し、個々のお子さまに合わせたプログラムに繰り返し取り組み、定期的な振り返りを行います。
※親子同室を推奨しますが、お子さまの状況に合わせて親子分離していただくこともできます。 - ⑤フィードバック/自由遊び
- 保護者の方にフィードバックをさせていただきます。その間、自由に遊んだり、設定遊びに参加したりします。
- ⑥支度、 かえりの会
- 視覚的な構造化を活用し、動線を明確にした中で支度を行い、できるだけ自分で行えるよう促します。
かえりの会では、あいさつ、今日の振り返り、シール貼り等を行います。 - ⑦お帰り
- 次回のご利用に関する確認事項等をお話しします。
グループクラス
(12時55分から16時)
- 12:55~
順次受け入れ、支度 - ご家族の方にその日のお子さまの健康状態やトイレのこと等をヒアリングし、本日の支援につなげます。
視覚的な構造化を活用し、動線を明確にした中で支度を行い、できるだけ自分で行えるよう促します。
※連絡帳(サービス提供記録票)でご家庭と情報を共有します。 - 13:10~
はじめの会 - あいさつ、お返事、出席確認、今日一緒に過ごすお友だち・先生、今日は何をするのか等をスケジュールボードと絵カードを用いて一緒に確認します。
- 13:15~
設定遊び、季節のイベント等の活動 - 外出活動(地域交流)、創作や運動等の活動を通じて、運動機能や創造性、社会性、知的好奇心を育み、「楽しい!」「できた!」「うれしい!」を積み重ねていきます。また、季節ごとのイベントも行い、子どもたちの感性や情緒を育みます。
- 14:00~
個別、自由遊び - みんなで一緒に行う活動だけでなく、認知・言語促進プログラムの評価に基づいて、個々のお子さまに合わせたプログラムを用意し、繰り返し取り組みます。
自由遊びの中では、興味関心の広がりや人との関わりの力を促します。 - 15:30~
おやつ - こちらで提供するおやつを食べる時間です。みんなで食べることの楽しさを感じられるようにします。
食前のトイレ、手洗い、食後の片付けなど、日常生活の一連の流れの中で身辺自立を促します。 - 15:45~
支度、かえりの会 - 視覚的な構造化を活用し、動線を明確にした中で支度を行い、できるだけ自分で行えるよう促します。
かえりの会では、あいさつ、今日の振り返り、絵本や紙芝居の読み聞かせ等を行います。 - 16:00~
お帰り - ご家族の方がお迎えに見えたら、一日の様子を共有したり、次回のご利用に関する確認事項等をお話しします。